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2021.03.30

森のギャラリー03月森林管理のひとこま

旭川 銘木市

各地から桜の開花情報が発表され、過ごしやすい季節になってきました。
今回は、冬から春先までが盛り上がる「銘木市」についてご紹介します。

〇銘木市とは何か?

銘木市という言葉を皆さん聞いたことが有りますか?
正式名称は「北海道産銘木市売」と言って、北海道中から集められた選りすぐりの丸太(主に広葉樹が多いです。)が並び、多くの木材関係業者が買い付けに集まる市です。
以前は、北海道の様々な地域(旭川、苫小牧、帯広、北見)で開催されていましたが、現在は丸太の数が減ったことから、旭川のみで開催されています。
開催時期は9月~6月まで毎月1回、丸太が傷みやすいことから7・8月はお休みとなり、冬に入ってからの12・1月が丸太の質も良く高く売れることから出品数が多く、全国から買い付け業者が多く集まります。
業者は入札日の前々日・前日に下見し、これはと思ったものを胸に秘め入札に臨みます。出品側である当社はどのような評価をされるかドキドキしています。
丸太は樹種毎、用途毎、グレード毎に仕分け、番号を付けられ、業者は番号毎に入札を行っていきます。
入札日は関係者席と傍聴席がありましたが、現在は新型コロナウイルス感染防止のため傍聴席は無くなっているようです。

○どういう木が売れるのか?

木を銘木市に出品する当社のような会社は、より高く木を売りたいと思っています。
そこで、当社では過去の実績などから研究し、樹種や丸太の長さなどいくつかの指標を基に、高い値段が付くであろう丸太を選定して銘木市に出品しています。
今年2月に開催された銘木市では、ミズナラ、メジロカバ、エンジュ、ホウノキなどを出品し、最も高く売れたのはホウノキでした。近年の傾向としては、ナラが人気でメジロカバも多く並んでいました。
今回の銘木市では、全体で約2,400㎥の出品で例年より3割減となり、ここでも新型コロナの影響がでているのかもしれません。

 

○丸太の用途

出品される丸太はどういった用途に使われるのでしょうか。
近年は、家具、建材、合板材、楽器、バット、木彫りの民芸品などに使われることから、突板メーカー、木工所、合板会社、民芸品会社、バット製作会社などが入札に参加しているのを良く見かけます。

○教育の場として活用

当社では、銘木市を社員教育の場としても活用しています。
実際目にすることが何よりも大事で、どんな木をどんな長さで切れば良いのかなど実物をもとに学ぶことができる場になっています。
「樹種の見分け」、「腐れの有無」、「曲がりの見極め」、「節の有無」などを見極める目も養われます。ただ、実は曲がっていても高く売れたりと、色んな条件の組み合わせによっては、思いもよらない良い結果(全く売れないこともありますが。)を得ることができることもあり、勉強しがいがある興味深い仕事です。
この経験をこれからの森づくりに活かしていきたいと思っています。

森からの便り - 四季折々の一期一会

三戸山林_コンパス測量の指導中です。

撮影者/長島山林事務所 川中

似湾山林_「雨氷」というとても珍しい現象です。

撮影者/平取山林事務所 菊池

似湾山林_雨氷を少し離れたところから見ると、太陽の光が当たってとても綺麗です。

撮影者/バイオマス事業部 西井

三戸山林_まとまった雨が降り山が潤いました。

撮影者/長島山林事務所 川中

羽幌山林_シカによる広葉樹の食害です。冬場は下層植物が出ないため、大好物である広葉樹の表皮を食べます。

撮影者/札幌山林事務所 阿部

春の訪れ ウラジロの新葉です。

撮影者/長島山林事務所 辰巳

春の訪れ シキミの花です。

撮影者/長島山林事務所 辰巳

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