第19回 「安全衛生大会」を実施しました。

まだまだ残暑が続いていますが、朝夕はどことなく秋を予感させる爽やかな風が吹き抜けるようになりました。
今回は、北海道で開催された安全衛生大会の様子をご紹介します。

当社では、年に一度、各拠点の安全衛生委員や現場で日々作業を行っている現業社員が一堂に会し、安全衛生に関する研修や意見交換を行う安全衛生大会を実施しています。
今年の安全衛生大会は、全国安全週間の期間中である7月6日～7日の2日間、北海道の苫小牧市で開催しました。

○大会第1日目　応急手当講習

安全衛生大会のプログラムは応急手当講習からスタートしました。
林業は山林内でチェーンソーや刈払機、大型の重機等を使用して作業を行うため、一度事故が発生すると大怪我や命に関わる重大な事態に至ってしまうことがあります。まずは事故が起こらないよう安全に作業することが第一ですが、万一に備え、適切に対応できるよう日頃から訓練することが大切です。

今回は、公益財団法人札幌市防災協会から4名の講師の皆様をお招きし、AEDを用いた心肺蘇生方法や負傷者の全身固定方法、担架での搬送方法、外傷処置法等のレクチャーを受けました。応急手当の技術も日々進化をしているため、より効果的な手法を学び、これまでの知識をアップデートすることができました。

講習の最後には、講師の方々に「枝払い中に急斜面を30m滑落。反応無し！！」というシチュエーションを想定した応急手当のデモンストレーションを行っていただきました。あまりの緊迫感とそれをものともしない手際の良さに一同言葉を失ってしまいましたが、自分達もこれに近い対応ができるよう、継続的に訓練に励もうと決意を新たにしました。

○意見交換会・フリーディスカッション

続いてグループに分かれ、安全装備や作業ツール、緊急連絡体制、教育・指導など、予め決められたテーマに関する意見交換会を行いました。普段は離れた場所で業務に励む社員同士が、事務所・事業所の枠を超えて議論することで、新たな「気づき」が生まれ、自分達の職場の安全衛生を見直す良い機会となりました。

○大会第2日目　安全講話

株式会社森林環境リアライズの石山浩一様を講師にお招きし、「林業労働災害の現状と対策」と題してご講演いただきました。労働災害の発生率や死亡災害の割合の高い日本の林業の現状を様々なデータから再確認し、問題点やそれをどう改善すべきかをわかりやすく説明していただきました。林業災害の発生原因は、技術5％、組織（計画）10%、人間85％という割合となっており、会社という組織（チーム）がいかにヒューマンエラーの発生を抑え込めるかが鍵になるというお話があり、改めて社内の安全衛生活動の大切さに気づかされました。

○林業労働災害VRシミュレータ体験

何も知らない人が見ると少し距離をとりたくなるような異様な光景ですね。実はこれ、伐採作業中の状況が再現された三次元空間に入り込み、事故発生の瞬間を疑似体験することができるVRシミュレータです。体験者の動きに合わせて実際に発生した事故が忠実に再現され、自分の方に木が倒れてくると思わず声を上げて避けてしまいます。普段事故の発生レポートを読むことはありますが、実際に木がどのような動きをして事故につながったのかイメージすることは簡単ではありません。このVRシミュレータで事故発生の一部始終を身をもって体験することで、自分が同じような状況に出くわしたときにその映像が蘇り、危険を回避することに繋がります。最新の技術を駆使した安全教材により、貴重な体験をすることができました。

○安全宣言

大会の最後に、今大会の当番である平取山林事務所・事業所のメンバーにより安全宣言が行われました。宣言の内容をご紹介します。

【安全宣言】
私たちは、自然に反する林業を行わず、
持続可能な森林経営を目標に、
ゼロ災害達成に向けて、
あせらず、ゆとりをもった安全な作業に
取り組んで参ります。

また、職員全員が心身ともに健康で、
「ときめ木（き）」と「ひらめ木（き）」のある
明るく、楽しく、風通しの良い 職場づくりに
取り組む事をここに宣言します。

令和三年七月七日
　三井物産フォレスト株式会社
　平取山林事務所・平取事業所　職員一同

この安全衛生大会を機にもう一度気を引き締め、ゼロ災害を目指して全社一丸となって安全衛生活動に取り組んで参ります。
札幌市防災協会の皆様、森林環境リアライズの石山様、大変有益な講習をありがとうございました。