2022.10.31
森のギャラリー
今回は、三重県 三戸山林で行われた「枝打ち作業」についてご紹介します。
「枝打ち」とは、育成している立木の枝を1本1本切り落とす作業のことを言います。
三戸山林では、植栽して2~4目年は下刈を、その後間を置いて、10年目以降は枝打ち作業を行います。
何故この作業が必要なのでしょうか?
枝打ちをすることで節(枝の付け根部分)を巻き込んで木が生長するため、丸太を製材したとき材面に節が出ない無節の木材となり、商品価値が向上します。また、枝葉の量が多いと幹が先細りしてしまうため、枝打ちによって枝葉の量を調整することで完満な(細りの小さな)丸太を生産し、一本の丸太から無駄なく製品を得ることができます。
枝打ちを行わないと、次のような弊害もあります。
枝が残っている状況では林内に入り込むことが困難となり、作業が思うように進まず手間とコストが増え、今後の作業にも支障が出てしまいます。また、地際に残っている枝につるが巻きついてしまい生長を阻害してしまうリスクも大きくなります。
三重県 三戸山林の地域では、「尾鷲ヒノキ」というブランドがあり、手間をかけて育てるヒノキは価値が上がるのです。
今回、三戸山林において、1回目の枝打ち作業を行いました。
植栽をしてから10年が経過したヒノキ林です。
周りに生い茂ったシダや灌木があるので移動するだけでひと苦労です。
まず、枝打ちを行う現場の歩道の草刈りから始め、ブロック毎で枝打ち作業に取り掛かります。
今回は地際から大人の手が届く位置の枝打ちを実施しました。
鋸か手斧を使い、一人一日100本程度の枝打ちをします。
ヘルメットを着用し、木くずが目に入ったり、払った枝が顔に向かってきたりすることがあるので保護メガネも必要です。
枝打ち後の林内の様子です。作業前と比べて見通しがきくようになったのがお分かりいただけるでしょうか?
一回目の枝打ち以降、20年生になる頃までヒノキの生長具合を観察しながら、二回目の枝打ちが必要あるかの判断をします。二回目からは、手の届かない高さ(4~6メートル)の枝打ちをする必要があるので、ハシゴを使用しての作業となります。
道具を使って手で作業するのですが、場合によってはその日のうちに鋸は曲がり、折れることがあります。予備は一人5本ぐらい用意します。また、ヒノキのヤニや木くずが鋸に付着してしまうと、うまく枝を切り落とすことができなくなり、余分な力が必要となることによる体力の消耗と、作業効率の低下につながります。
そこで「ヤニ除去剤」を使って鋸が汚れた都度、きれいにしてあげることが必要です。
汚れた鋸にヤニ除去剤を吹き付けます。白い泡がもこもこ出てきます。
その白い泡がヤニなどの付着物を浮かせ、汚れを分解させます。
そのまま数分待ち、布などを使って残った泡と汚れを拭き取ります。
すると、このように鋸がきれいな状態に戻ります。
日々使う道具や機械類はこまめに点検、清掃し、良い状態を保つことを心がけ、安全第一で作業を進めます。
枝打ちして下の写真のように成長してくれれば理想です。
しかし、次の写真のような被害が起こることがあります。おそらく鹿が皮を剥いでしまったようです。このままでは枯れてしまいます。枝があると動物はなかなか木の幹に近づけませんが、枝がないことで近寄ることができてしまい、枝打ち直後に樹皮を食べられてしまうことがあるのです。対策を考えなければいけません。
手作業で行う枝打ちはとても手間が掛かりますが、木の価値を上げるためにとても大切です。樹木の成長に伴って高所で行う作業となるので危険も伴いますが、高品質の木を育てるために、これからも安全に気を付けて作業してまいります!
24.5~25.0cm位ですかね…
撮影者/平取山林事務所 安彦
黒雀蜂が黙食中です。
撮影者/平取山林事務所 安彦
十弗山林:除伐・枝払い before
撮影者/帯広山林事務所 菊池
十弗山林:除伐・枝払い after
撮影者/帯広山林事務所 菊池
浦幌山林:今日も一日お疲れ様でした!
撮影者/帯広山林事務所 菊池
泉沢山林_間伐材の椪積作業中です。
撮影者/第一事業部 山口
知内山林_皆伐跡地でトマト発見!
撮影者/第一事業部 山口
三戸山林_モクズガニ。地元ではズガニと呼ばれています。
撮影者/長島山林事務所 辰巳
育ち良好!
撮影者/長島山林事務所 川中
鈴鹿山林:雲一つない青空です!
撮影者/長島山林事務所 川中
三戸山林_道をつけています
撮影者/長島山林事務所 辰巳
金木犀です。
撮影者/長島山林事務所 川中
三戸山林の大木です!
撮影者/長島山林事務所 辰巳
めだまおやじ。
撮影者/長島山林事務所 川中