2025.05.23
森のギャラリー
春の陽気が汗ばむような暑さに変わり、初夏の訪れを感じます。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は亀山山林のようすをお伝えします。
毎年この時期は山林内の希少種や植生調査等を行っています。亀山山林はほとんどがスギ、ヒノキの人工林ですが、その下層にはモミ、ヒサカキ、ヒイラギ等の硬い葉をつける常緑樹が多く見られます。
冬に落葉する落葉樹と比べ、常緑樹は一年中葉が落ちない様子から永い生命力や繁栄を象徴し、縁起が良い木として人の文化に根付いています。左の写真のヒイラギは節分の時期に鬼を追い払うために飾られます。右の写真のヒサカキは、神様と人との境界を示す意味もあることから、神事によく使われます。
亀山山林は森林環境プログラムの開催地として、年間を通じて活用される山林です。今回、プログラムの参加者の方に植栽していただいたスギとコナラのようすも見に行きました。自分の身長を超えるほど成長している木もありました。周りにはモミの天然更新も見られ、順調に育っています。
人の手で植栽を行わずに、自然に落下した種子等から木が育つことで、天然の力で森林の更新を図る方法のことを「天然更新」といいます。将来はこの天然更新を活用して、亀山山林を天然生林にすることを目指しており、より多様な生態系を守っていきたいと考えています。
今後も豊かな生態系が育まれる山林を目指して、整備方法を模索していきます。