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2025.08.25

森のギャラリー08月森林管理のひとこま

 

山林内における虫害被害


立秋を過ぎましたが、まだまだ夏らしく炎暑が続いています。皆様いかがお過ごしでしょうか。
夏は山林内において、様々な虫害が発覚してくる時期でもあります。
今回は札幌の事務職員の方より、山林で起こっている虫害について教えて頂いたので、その一部をご紹介します。

○マイマイガ被害

マイマイガは8~11年の周期で大量発生すると言われ、6~7月頃にカラマツやカバノキ、ハンノキ、ナラといった落葉広葉樹が幼虫による食害を受けます。被害によって枯れることは稀ですが、1~2年生の植栽後間もない造林木が被害を受けてしまうと、枯れるリスクが高まります。
写真は左がマイマイガの幼虫、右が食害後の様子です。

○カラマツヤツバキクイムシ被害

カラマツヤツバキクイムシは雪や風などで弱っている木を餌に、個体数が増加します。ある程度成長した健全な木であれば、樹脂を外に漏出させて抵抗することができます。しかし、弱っている木はキクイムシの穿孔を許してしまい枯れてしまいます。さらに個体数が増加することで、健全木へ大量のキクイムシが集中的に侵入し、健全木を枯らしてしまうこともあります。下の写真は、カラマツの被害地の様子です。

被害木は6~8月頃に葉が赤く変色するため、被害を発見次第速やかに伐採し、林外へ運び出すことが被害拡大を抑えるうえで重要になります。

○カシノナガキクイムシ被害【ナラ枯れ】

カシノナガキクイムシ(以下、カシナガ)が幹に穿孔し、カシナガが媒介するナラ菌によって、木が枯れてしまう被害です。北海道はミズナラの代表的な産地であり、被害が拡大すると林業はもちろん、ドングリを餌とする野生動物など森林生態系への影響も危惧されています。被害木の周りには下の写真のようにフラス(木くずと虫糞)があり、葉の色が変色します。

虫は爆発的に増加するため、広大な面積の山林内で被害が増えてしまった場合、防除が難しいとされています。現在は薬剤による防除や、伐採して林外に運び出すことなどの対策が全国で行われています。
今回、森を単純林だけでなく、針広混交林として仕立てていくことも被害のリスクヘッジとして有用であるとも教えて頂きました。今後も、虫害被害の状況に注視し、被害に負けない森づくりに取り組んで参ります。

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